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生命保険会社から税務署に提出される支払調書が変更されました。【FP花園メルマガ】<2018年1月10日号>

2018/1/10  【メルマガ一覧へ戻る

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□ 生命保険会社から税務署に提出される支払調書が変更されました。

 


おはようございます、澤田です。

 


生命保険会社が保険金等を受取人に支払う際には、
「支払調書」を税務署に提出するよう定められています。

 

保険金や解約返戻金などの一時金や年金の支払額が一定額を
超える場合には支払調書が提出され、受取人がきちんと申告を
しているかどうかを税務署が照合等を行うために利用されます。

 

この支払調書の提出要件が、平成30年1月1日より変更になりました。

 

今回はこの変更の内容と、どうして変更をされることになったか
といった背景などをお伝えしたいと思います。

 


■提出の要件が変更

 

従来は、

 

「保険金・解約返戻金等の一時金:金額が100万円を超えるもの」

 

「年金:年金支払額が年20万円を超えるもの」

 

が提出の要件となっていましたが、変更後は提出の要件に

 

「死亡による契約者変更」

 

の場合が追加されました。

 


■記載項目の追加

 

従来は、

 


・受取人氏名、住所、個人番号

 

・契約者氏名、住所、個人番号

 

・被保険者氏名、住所

 

・保険金額等

 

・既払込保険料等

 

・保険事故発生日、保険金等の支払日

 


が記載されていましたが、上記項目に加えて、

 


・支払時の契約者の直前の契約者の氏名、住所

 

・契約者変更の回数

 

・支払時の契約者の既払込保険料

 

・死亡した契約者の氏名、住所、死亡日

 

・新契約者の氏名、住所

 

・解約返戻金相当額

 

・既払込保険料

 

・死亡した契約者の既払込保険料

 


の記載が必要となりました。

 

 

■従来よりも「課税漏れ」が少なくなることが見込まれる

 

従来は一定の金額の保険金・解約返戻金等の一時金や
年金が支払われることが提出の要件となっていましたが、

 

この要件に「死亡による契約者変更」の場合が加わり、

 

また「死亡以外の契約者変更」があった場合には、
「保険金等の支払時の契約者の既払込保険料」等、

 

該当する保険契約にこれまで誰がいくら支払ったか
といった情報が記載されることになります。

 

このような変更が行われることによって、例えば従来把握
できなかった次の例のような場合が、変更後は
税務署が把握できるようになります。

 


<例1>

 

契約者(保険料負担者)・死亡保険金受取人:夫 被保険者:妻
の終身保険契約で、夫が死亡した場合

 

夫が死亡後、契約者を妻・受取人を妻の親族(例えば子)に
名義変更した場合、夫が死亡した時点の解約返戻金相当額が
「生命保険契約に関する権利」として相続税の課税対象になります。

 

ただ従来は「死亡による契約者変更」は調書提出の要件に
なっていませんでしたので、このような契約者変更を
税務署は把握することができませんでした。

 


<例2>

 

契約者(保険料負担者)・被保険者・満期保険金受取人:父
死亡保険金受取人:子 の養老保険契約で、
契約者・満期保険金受取人を子に変更後に
子が満期保険金を受け取った場合

 

本来は子が受け取った満期保険金のうち、変更前の契約者である
父が支払った保険料に相当する部分は贈与税の課税対象となりますが、
従来の支払調書は満期保険金の支払時点の契約内容で作成されていた
ため、契約の途中で名義変更が行われたことを税務署は把握する
ことができませんでした。

 


このように、生命保険の契約者の変更情報を税務署が把握する
ことによって、これまでは課税漏れとなっていた可能性が
高い保険契約を把握することができるようになりました。

 

逆に言うと今までは意図的に契約者を変更することによって、
契約者から契約者以外の人へ、生命保険を使って税金を
取られずに財産を移転することも可能だったのですが、
今年からはそのようなこともできなくなります。

 

制度や法律の抜け穴や盲点を利用した生命保険の節税対策は
過去にもありましたが、税制改正などで現在は効果が
無くなっているものがほとんどです。

 

今後は裏ワザ的な方法は使わずに、まっとうな契約形態で
保険金などを受け取ることがますます大切になってくると思います。

 

 

 

 

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